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こんにちは、ソラです。
今回は2022年7月25日に発表された4代目の日産・エクストレイルに搭載される予定の先進運転支援システムについてです。
エクストレイルの概要
エクストレイルとは
エクストレイルは日産自動車が開発・生産・販売しているミドルサイズSUVで、世界167の国と地域で80万台以上が販売されています。
日産はいろんなSUVを販売していますが、立ち位置としてはコンパクトSUVのキックスやキャッシュカイよりも上で、ラージサイズSUVのムラーノ、パスファインダー、ラダーフレームのテラよりも下になります。
初代のT30型は1997年の第32回東京モーターショーに出品された「トレイルランナー」を発展させ、市販車として改良・商品化したモデルで、「4人が快適に乗れる、200万円で買える4WD」”というコンセプトで販売され、開発コンセプトは “タフなギアツール “でした。
…それにしても、どう発展させたらトレイルランナーからエクストレイルになるのでしょうか?
2代目のT31型はデュアリスとプラットフォームを共有していて日産・デュアリスはオンロードを、X-TRAILはオフロードを重視していました。
3代目のT32型からはルノーと共同開発した共通のプラットフォーム「CMF-C/D」を採用し、箱っぽい見た目から、柔らかなラインを特徴とした都会波なクロスオーバーSUVとなりました。
と思ったら、4代目のT33では箱っぽい見た目になり、日産独自のエンジン技術である可変圧縮比機構とターボチャージャーを組み合わせた「VCターボエンジン」を搭載。
さらに日本と欧州ではシリーズHEVの「e-Power」を組み合わせての登場となりました。
ちなみに、アメリカ・カナダでは「ローグ」と言う名前で販売されています。
初代はS35の型式で独立した車種として存在し、T30型エクストレイルと並んで販売されていたのですが、2代目のT31型エクストレイルはアメリカ・カナダ市場では販売されず、ローグがその代わりを務めることになりました。
しかし,2代目のローグは「3代目のT32型エクストレイル」が、3代目のローグは「4代目のT33型エクストレイル」が務めることになり、ローグは北米版のエクストレイルとなりました。
あと、エクストレイルは「オフロード用のタフギアツール」という印象を抱かせるCMを流して販売されている事から、歴代モデル通じて販売比率は圧倒的に4WD車のほうが高いです。
そして、実際に悪路の走破性も高いクルマではあります。
ですが、この車はラダーフレームのクロカンみたいな、具体的にはジープやランドクルーザーみたいな本格的なクロスカントリーが出来るような設計になっていません。
初代・T30型の時点で、エンジン横置きのFF車をベースにしたパートタイム4WDです。
つまり、乗用車と共通のプラットフォームなのでモノコック構造を採用し、そこにスタンバイ4WDシステムと電磁多板クラッチを搭載しています。
(今回のモデルでは前後車軸に電気モーターを組み合わせた電動4WDを採用しています。)
つまり、パートタイム4WDでもなければラダーフレームでもないので、過酷なオフロード走行には向きません。
そういった意味では「トレイルランナー」のコンセプトを正しく引き継いでいるのかもしれませんね
そういった意味では「トレイルランナー」のコンセプトを正しく引き継いでいるのかもしれませんね
なので本格的なクロスカントリーコースを走りたいなら、ジムニーなりランドクルーザーを購入される方がいいと思います。
エクストレイルのライバル
エクストレイルはミドルサイズのSUV、またはCセグメントに分類され、非常に人気の高いカテゴリーです。
その為、自動車メーカーであれば、このクラスのSUVは何か1種類は出しているといっても過言ではなく、市場には多様なモデルが存在し、非常に競争が激しいです。
国内メーカーだけ見てもトヨタのRAV4とハリアー、ホンダのCR-VやZR-V、マツダのCX-5やCX-60、スバル・フォレスターとあり、近年注目を浴びているBEVを見てもテスラ・モデルY、ヒョンデ・アイオニック5、BYD・アット3などがあります。
それにトヨタ・bZ4X、スバル・ソルテラ、そして日産・アリアもありますね。
あと、マイナーなところだと、60万円で帰るマイクロEV、「五菱・宏光(ウーリン・ホンガン) ミニ EV」を作っている「上汽通用五菱汽車(シャンチー トンヨン ウーリンきしゃ)」もこのクラスの”ガソリンエンジンを搭載した“SUVを作っていたりします。
宝駿(バオジュン)・530と言う車で、シボレーにもOEM供給してるみたいですね。
エクストレイルの歴史
初代・T30型
初代のT30型は1997年の第32回東京モーターショーに出品された「トレイルランナー」を発展させ、市販車として改良・商品化したモデルです。
2000年9月のパリモーターショーで「X-TRAIL」のコンセプトカーが発表され、同年10月に生産が開始、11月13日に販売が開始しました。
発売時には「4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆」というコンセプトで発売、開発コンセプトはタフギア道具というコンセプトでした。
日本向けは直列4気筒で排気量2Lの自然吸気エンジン「QR20DE」とターボ付きエンジンの「SR20VET」の2種類のみですが、欧州ではディーゼルエンジンの「YD22DDTi 」も用意されています。
また、アジア、オーストラリア、中東では2.5Lの「QR25DE」が用意されています。
エクストレイルはエンジンが横置きに設置されているFF車で、4WD仕様は四輪駆動システム 「All Mode 4×4」を採用しています。
「All Mode 4×4」は、日産自動車が開発した四輪駆動電子制御システムで、スカイラインGT-Rに採用されていた「ATTESA E-TS」をベースに開発されました。
センターデフを使用せず、トランスファーケースに内蔵された油圧式湿式多板クラッチを用いて断続的に動力遮断を行うスタンバイ4WDの一種です。
通常時は前輪駆動で走行し、走行条件に応じて前後輪のトルク配分を変えることが出来ます。
また、手動により前輪駆動、四輪駆動の選択が可能になっていて、スタックからの脱出時などに手動で直結四輪駆動を選択するといったことも可能ですが、設定車速以上になると”駆動力制御四輪駆動”に切り替わります。
あと、この車をベースにFCV仕様のエクストレイルも作られたみたいですね。
日産グリーンプログラム2005」に基づいて開発され、神奈川県やコスモ石油に納車され、ハイヤーとしても使用されたみたいです。
そして2007年8月に生産終了、2代目に切り替わりました。
2代目・T31型
2代目・T31型は2007年3月のジュネーブモーターショーで発表、日本では同年8月に発売されました。
当初は大幅にデザインが変わるという情報があったみたいですが、初代モデルのデザインが好評だったためキープコンセプトでのモデルチェンジとなりました。
Cプラットフォームをベースに、直列4気筒で排気量2Lの「MR20DE」と排気量2.5Lの「QR25DE」2種類のエンジンが搭載。2008年9月にはルノーと共同開発した2000ccターボのクリーンディーゼルが追加された。
先代に搭載されていたターボエンジンは平成17年排出ガス規制に適合しないためフルモデルチェンジを機に廃止されました。
4輪駆動機構は車両挙動や運転操作も含めて協調制御することが出来るようになった「オールモード4X4-i」システムを採用。
メーター類に関しては初代はセンターメーターでしたが2代目は運転席前に移動。樹脂製だったフェンダーは生産性を向上させるために廃止となりました。
そして2013年11月に生産を終了となりました。
3代目・T32型
3代目・T32型は2013年にフランクフルトモーターショーにて発表されました。
11月には2代目ローグとして北米での販売が開始、日本では12月に発売。その他中国、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアなどの他の市場でも発売されています。
歴代モデルとの共通点をなくし、柔らかなラインを特徴とした都会派なSUVとして登場。
ボディサイズは、全長4.6m、全幅1.8m超と、これまで日本で販売されていた「テラノ」よりも大型になりました。
プラットフォームはルノーと共同開発した「CMF-CDプラットフォーム」を採用。
エンジンはガソリンエンジンの「MR20DD」と「QR25DE」に直列3気筒排気量1.3Lの「HR13DDT」、直列4気筒排気量1.6L「MR16DDT」の4種類とディーゼルエンジンの直列4気筒で排気量1.6Lの「R9M」、1.7Lの「R9N」、2.0L「M9R」の3種類と、合計で7種類もありました。
しかし、日本ではMR20DDエンジンのみが販売されました。
また、MR20DDエンジンには「インテリジェントデュアルクラッチコントロール」という”1モーター2クラッチ方式”のストロングハイブリッド仕様もありました。
4輪駆動システム「ALL MODE 4×4-i」を継続採用したほか、世界初となるエンジンとブレーキを制御して乗り心地を良くする機能「アクティブライドコントロール」や、コーナリング時やブレーキ時にエンジンブレーキを加えてペダル操作を軽減する「アクティブエンジンブレーキ」といった新機能が採用されていました。
また、2017年6月には、レベル2の運転支援システム「プロパイロット」設定されました。この時点ではカメラのみを使用したシステムでしたが、2020年1月にはミリ波レーダーを追加して性能が向上しました。
2020年6月にアメリカで”3代目”・T33型ローグが発表されたのを皮切りに、世界各国で販売が開始。2022年7月、日本では4代目・T33型の発表に伴い生産終了。以後在庫分のみの販売となりました。
が、中国ではT33型が売れず、この車が復活してしまいました…
T33型の特徴
商品の主な特長は下記のとおりです。
力強さと静粛性を実現した世界初の「e-POWER」×「VCターボ」
高出力モーターを搭載した第2世代「e-POWER」が力強く、なめらかな走りを実現するとともに、発電用エンジンには日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジン「VCターボ」を採用し、常用域から加速時までエンジン回転数を抑え、圧倒的な静粛性を実現します。プラットフォームも刷新し、高剛性なボディと徹底した遮音構造がe-POWERの走りの魅力をさらに高めます。
また、アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできるe-Pedal Stepは、e-POWER車で初めてブレーキ協調制御を採用し、加減速を繰り返す市街地走行に加え、状況に応じて自動的に油圧ブレーキを作動させることで、長い下り坂など、幅広いシーンで快適に運転を楽しんでいただけます。4WDの概念を変えるe-4ORCEの搭載
日産の電動化技術と4WD制御技術、シャシー制御技術を統合した、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を新たに搭載しました。前後2基の高出力モーター、左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力を最適化し、雪道や山道の走破性に力を発揮するとともに、市街地走行などの日常使いなど、あらゆるシーンや路面状況においてワクワクした走り、そして乗る人すべてに快適な乗り心地を提供します。<e-4ORCEがもたらす価値>
- ドライバーの意のままの走り:路面と車両状況を瞬時に判断し、タイヤの摩擦力を最大限使い切れるように前後モーターの駆動力やブレーキをきめ細かく制御することで、最小限のステアリング操作で思い通りのコーナリングができます。
- 路面を問わない安心感:オフロードや雪道でも常に最適なトラクションを確保することで、タイヤのスリップやスタックを回避し、スムースな発進・走行を可能にします。
- 乗る人すべてに快適な乗り心地:市街地走行における減速時において、前後のモーターそれぞれで回生量を調整し、車体の挙動を安定させることで、乗員の頭の前後の揺れを軽減します。
- 力強く滑らかな走り:高出力モーターがアクセルの踏み込みに素早く応答し、伸びのある加速を実現。高速道路での合流もスムースに行えます。
先進装備をさらに充実
360°全ての方向の安全を確保する「360°セーフティーアシスト(全方位運転支援システム)」を採用しました。新たに追加した「SOSコール」や、対向車や先行車の有無に応じてハイビームの照射位置をコントロールする「アダプティブLEDヘッドライトシステム」をはじめとする、多彩な安全技術が、さまざまなシーンで安心なドライブをサポートします。また、高速道路の単一車線での運転支援技術「プロパイロット」に、「ナビリンク機能」を追加しました*2。ナビゲーションと連動し、地図データをもとに、制限速度に応じて設定速度の切り替えや、カーブに応じた減速支援など、ドライバーの操作頻度を軽減します。さらに、駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御する「プロパイロット パーキング」が、縦列・並列駐車、車庫入れをサポートします。堅牢で上質感のあるデザイン
- エクステリアは、初代から受け継ぐタフな力強さに、余裕と上質さを感じられるエッセンスを加え、この2つの要素が調和した新しいSUVプロポーションに仕上げました。ヘッドランプは、上段にポジションランプとターンランプを、下段にメインランプを配置し、上質感を演出する2階建ての構造を採用しました。リアコンビネーションランプのシグネチャーは、視認性が高く、無垢のインナーレンズには日本の伝統的な切子パターンからインスピレーションを得た精密でキラキラと光り輝く加工が施され上質さを演出しています。
- インテリアにおいても、タフさと上質な心地よさを兼ね備えたデザインを目指しました。コンソール部分を宙に浮かせたブリッジ構造のセンターコンソールには、ラージサイズのカップホルダーを用意し、コンソール下にはティッシュボックスやひざ掛けなどが収納できます。また、アームレストも兼ねるコンソールリッドは収納物が取り出しやすい観音開きとしています。さらに、ロールサンシェードをリアドアに採用し、直射日光を遮ることで室内の快適性を高めています。
- ボディーカラーは、2トーン5種類、モノトーン7色の全12色をラインアップしました。中でも、初代から「エクストレイル」のイメージカラーとして親しまれ、新型では深紅のバラからインスピレーションを受けて鮮やかさと深み感を増した、日本市場初となるカーディナルレッドや、シャンパンのような上質でエレガントな色合いのシェルブロンドとスーパーブラックの2トーン、そしてタフで力強さの象徴となるステルスグレーなどが特徴となります。インテリアのシート素材には、ブラックのファブリックに加え、日産が独自で開発を行い初採用となる、しっとりとした肌触りと包まれる心地よさをもたらす次世代シート素材「TailorFit™(テーラーフィット)」、タン色のナッパレザー、そしてスキーやマリンスポーツなどのアウトドアアクティビティに役立つセルクロス®を使用した防水シートの合計4種類を用意しました。
使い勝手に優れた快適な装備
新型「エクストレイル」を発表
- メーターには、2種類の表示モードを選択できる12.3インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイを採用しました。また、センターディスプレイに採用されている12.3インチのNissanConnectナビゲーションシステムは、自然な言葉で操作できるボイスアシスタントやAmazon Alexaを搭載しており、多彩なサービスでカーライフを快適にします。さらに10.8インチの大型ヘッドアップディスプレイを搭載し、運転中、必要な情報が目線の先に表示されることで、ドライバーは視線を移動することなく、必要な情報を把握することができます。
- ラゲッジスペースは、荷室の幅、開口幅を広げることで、荷物の積み下ろしが容易となり、クラストップレベルの広さを実現しています。
- 「エクストレイル」専用にチューニングされた9スピーカーのBOSE Premium Sound Systemが、臨場感あふれる音場を提供します。
- 100V AC電源(1500W)を装備したことにより、災害時等の非常用電源として、またアウトドアでもお使いいただけます。
T33型の基本スペック
グレード構成
グレードは合計7種。2WDと4WDの駆動方式それぞれにS,X,Gのグレードが用意されています。ただ、3列シートはXのe-4ORCE仕様のみになっています。
また、Sグレードにはプロパイロット、 BSI、BSW、RCTA、アラウンドビューモニターが非搭載となっていて、プロパイロットパーキングはGグレードのみの搭載となっています。
価格
T33型エクストレイルの価格について、2WDモデルは3,198,800円~4,846,600円、4WDモデルは3,479,300円~5,046,800円となっており、4WDモデルは2WDモデルよりも約30万円高い価格設定になっています。
過去のエクストレイルの価格帯を振り返ると、初代T30型と2代目T31型は199万円~343万円で、3代目T32型は219万円~412万円、ハイブリッド仕様のT32は258万円からでしたので、300万円からスタートしている新型モデルは結構価格が上昇しています。
エクストレイルはこれまでタフギアをアピールし、道具感を売りにしてきた車種なので、高級感を売りにして高い価格帯で販売するのは厳しいと思われる方が多いと思います。
ですが2023年3月20日時点で、アメリカ仕様のT33型は27,150ドル(358万円くらい)から、中国仕様が179,900元(344万円くらい)からとなっていますが、これらのモデルはVCターボのみで、e-POWERやe-4ORCEは搭載されていません。一方、日本仕様の4WDモデルにはe-4ORCEが標準装備されていることを考慮すれば、割と価格は安いのではないでしょうか。
(まぁ、円安の影響も大きいところもありますが…)
それに、最近の新車価格は上昇傾向にありますので、T33型エクストレイルの価格設定も悪くないと言えるかもしれません。
実際、日産がアンケートを実施したところ、L/MクラスのSUVにおける40代以上のユーザー層の比率は上がっているそうです。
これに伴い、車両単価も変化していて、SUV市場全体の平均価格帯が上がっています。平均価格が上がるという事は、ユーザーが上級の車種へ移行していることを示していて、新型エクストレイルにも上質さが求められるようになっています。
この結果、エクストレイルも300万円以上からの価格設定になっているみたいです。
寸法
全長が4,690mm、全幅が1,830mm、全高が1,740mm、ホイールベースは2,705mmとなっています。
重量
T33型エクストレイルの重量は、駆動方式によって異なります。2WDモデルの重量は1,550kg、一方4WDモデルの重量は1,700kgとなっています。4WDモデルの方が重いのは、4輪駆動システムの機構が追加されてるからですね。
定員
2列シートは5人、3列シートなら7人です。
タイヤ
グレードによって異なるタイヤサイズとホイールが設定されています。
SとXは18インチのアルミホイールに幅が235mm、扁平率60%のタイヤが採用され、Gグレードには19インチのアルミホイールに幅235mm、扁平率55%のタイヤが採用されています。
また、タイヤのメーカーは韓国のハンコックタイヤが選ばれています。
プラットフォーム
T33型エクストレイルは、「日産のCMF-C/D」というプラットフォームをベースにしています。このプラットフォームは、日産とルノー・三菱アライアンスが共同開発したもので、コスト削減や技術開発の効率化を実現を目的としていて、複数の車種やブランドで共有されるモジュールを組み合わせることで多様な車種の開発を可能にしています。
CMF-C/Dプラットフォームは以下の車種に採用されています。
日産:
- ローグ(T32型・T33型)
- エクストレイル(3代目・T32型、4代目・T33型)
- キャシュカイ/ローグ スポーツ(2代目・J11型)
- パルサー/ティーダ(C13型)
- シルフィ/セントラ(B18型)
- タウンスター
インフィニティ:
- QX50(2代目)
- QX55
三菱:
- アウトランダー/アウトランダーPHEV(日本向け:3代目、海外向け:4代目)
ルノー:
- エスパス(5代目、通称:エスパスⅤ)
- カジャー
- メガーヌ/メガーヌセダン(4代目、通称:メガーヌIV)
- セニック/グランセニック(4代目、通称:セニックIV)
- タリスマン
- コレオス(2代目、通称:コレオスII)
- カングーIII/エクスプレス
ルノーコリア:
- SM6
- QM6
メルセデス・ベンツ:
- シタン(2代目・W420)/ Tクラス
このプラットフォームは先代のT32型に採用された…つまり2013年に開発された古いプラットフォームになります。
T33型はe-POWERが搭載されたこともあって、先代のガソリン車に比べて約200kg重くなっています。その為、先代車のボディ骨格では全方位の衝突安全に対応することが難しいという課題がありました。
この対策として、ボディ骨格に高張力鋼板の熱間加工材であるホットスタンプ材を採用しています。
先代では、最高強度の980MPa級冷間プレス材が採用されていましたが、新型車では1.5GPa級のホットスタンプ材が採用されました。具体的には、新型車ではセンターピラーとフロントピラーのレインフォースメント(補強材)やルーフ・サイド・レールに、1.5GPa級のホットスタンプを適用しています。
ホットスタンプを採用した理由には軽量化もあるみたいです。ホットスタンプに加えて、1.2GPa級の冷間プレス材なども使用し、プラットフォームとボディー骨格を合わせて先代車に比べて約35kg軽くしました。さらに、ドアやフロントフード、フェンダーにアルミ合金を適用することで、合計で約65kgの軽量化を実現しています。
パワートレイン
T33型エクストレイルでは、第2世代の「e-POWER」が搭載され、VCターボエンジンと組み合わせることで、燃費性能と走行性能のバランスが改善されています。
また、新型エクストレイルの4WD車において、日産の電気推進技術、4WD制御技術、シャシー制御技術を統合した電動4輪制御技術「e-4ORCE」が採用されています。
あと、海外向けには直列4気筒排気量2.5Lの「PR25DD」、e-POWERなしの「KR15DDT」の2種類があります。
ただ、2022年頃からPR25DDの方はアメリカのラインナップから消えていますね。
【エンジン】
T33型エクストレイルに採用されているエンジン「KR15DDT」は、直列3気筒排気量1.5LのVCターボエンジンで、このT33型に初めて採用されました。
はじめて開発されたVCターボエンジンである「KR20DDT」から1気筒を取り除いたって感じですね。
正直、このクラスのSUVに直3の1.5Lエンジンはパワー不足じゃない?…って思いましたが、性能面を見るとそうでもないみたいです。
最高出力こそ106kW(144ps)にとどまりますが、最大トルクは250N・mで、排気量2.5Lクラスまでをカバーできるエンジンとなっています。
つまり自然吸気エンジンに比べてエンジンを小型化できるので、ハイブリッドシステムと組み合わせても、小型車のエンジンルーム内に収まりやすくなります。
ここまでのパワーがある理由はターボチャージャーに加えて可変圧縮比機構(Variable Compression Ratio)を搭載しているからですね。
VCターボエンジンは、マルチリンク機構を利用して、ピストンの上下死点位置を連続的に可変させることを可能にします。この機能により、今までは不可能だった圧縮比を14.0から8.0まで連続的に変化させることが可能になります。。
ターボチャージャーが使用される際には、ノッキングが発生しやすい領域で圧縮比を下げることで、エンジンへの負荷を軽減し、通常走行時には圧縮比を上げることで、高出力と高燃費の両立を実現しています。
そしてe-POWERと組み合わされたこの車の場合、WLTCモード走行のほとんどを圧縮比14でカバーできるとのことです。
こういう事もあってか、過去のe-POWERでは低速時よりも高速走行時の燃費が悪くなるのですが、このエンジンの場合は逆に高速時に燃費が良くなっています。
可変圧縮比機構(VCR)は、2019年に発売された日産の高級車ブランド、「インフィニティ・QX50」の「KR20DDT」で初採用、日本市場向けには、このT33型が初となります。
従来のエンジンでは、固定された圧縮比しか使えませんでしたが、VCターボエンジンはマルチリンク機構を用いてクランクシャフトを回転させ、ピストンとクランクシャフト間の距離を変化させることができます。これにより、圧縮比を8:1から14:1の間で無段階に変更できるようになっています。エンジンはドライバーのアクセル操作に応じて、常に最適な圧縮比に調整されます。
また、リンク配置の最適化によって、ピストンが上下する際のアッパーリンク(U-link)の角度変化が抑えられ、シリンダー壁面との摩擦が低減され、燃費向上に寄与しています。さらに、ピストンの上下動が上死点と下死点で対称となることで、振動が抑制されます。
このようなVCターボエンジンの採用により、T33型エクストレイルは環境性能と動力性能の両立を実現しています。
あと、最高出力は106 kW(144ps)[4,400-5,000rpm]、最大トルクは250 N·m[2,500-4,000rpm]となっているのですが、海外向けのT33型に搭載されているKR15DDTは最高出力150kW(204ps)[5600rpm]、最大トルクは300Nm [2800〜4400rpm]となっています。
こう見ると同じエンジンなのに海外向けの方が性能が高く見えますが、日本向けはe-POWERの発電用と用途が違うのでこういう違いが出ているのかもしれません。
ちなみに、先ほども書いた通り、海外市場向けに「PR25DD」という直列4気筒のエンジンが搭載されたモデルがありました。
このエンジンは直列4気筒で排気量が2.5L、最大出力134.972kW(181hp)の自然吸気ガソリンエンジンで、世界で初めて樹脂製の吸気ポートを採用していました。
樹脂製の吸気ポートの採用により、エンジン燃焼時の吸気通路への熱伝達が抑えられ、吸入空気量が増加し、出力が約1.5kW向上。
さらに、このエンジンは電動VTC(可変バルタイ)やクールドEGR(排ガス再循環)、直噴技術などを新たに採用することで、燃費性能の向上も実現しました。
ですが、2022年頃にはアメリカのラインナップから姿を消しました。
VCターボが2.5L並みのパワーを出せるならこっちは要らないって判断されたのでしょうか?
あ、あと中国ではT33型の売れ行きが悪いって書きましたが、これはKR15DDTが直列3気筒エンジンだからみたいです。
3代目エクストレイルの販売台数が2019年20.7万台、2020年17.5万台だったのに対し、新モデルは2021年7.9万台、2022年は1~9月で1.1万台と、大きく減少している
“
とのことで、さっぱり売れてません。
原因は「高回転域で特有の振動音を発生する」といった口コミが広まり、新型エクストレイルにネガティブなイメージがついてしまったみたいです。
(直列3気筒エンジンはその構造上振動が発生しやすいので、質感を重視する車に採用されることはあまり無いですしね。)
その上先代のT32型を復活して、さらにネガティブなイメージを持たれてしまってエクストレイル自体が敬遠されることになってしまったみたいですね。
【モーター】
T33型には2WDなら1つ、4WDなら2つのモーターが使用されています。
フロントモーターは交流同期電動機の「BM46」で、最高出力は150 kW(204PS)(4,739~5,623 rpm)、最大トルクは330 N·m(0~3,505 rpm)
リアモーターは4WD仕様のみに搭載されていて交流同期電動機の「MM48」で、最高出力は100 kW(136PS)(4,897~9,504 rpm)、最大トルクは195 N·m(0~4,897 rpm)です。
駆動方式
T33型は前輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)2つの駆動方式があります。
そして四輪駆動仕様には全車に「e-4ORCE」という電動4輪制御技術が採用されています。
【e-4ORCE】
e-4ORCEは、前後に独立した2つのモーターと左右のブレーキを統合制御して、四輪の駆動力を最適化し、走行性能を向上させるシステムです。
従来の4WDシステムではエンジンからの動力を前後に配分していましたが、新型車ではモーターを使用することで応答性が向上し、瞬間的なトルク配分の変化にも対応できるようになりました。
このシステムは、同社の電気自動車「アリア」の4WDモデルにも採用されています。
エクストレイルでも基本的には同じシステムですが、車重やシャシーに合わせてチューニングが施されています。
基本的に、e-4ORCEのシステム自体はアリアとエクストレイルで違いはなく、主にプログラムによる設定が異なります。制御設定の違いはそれぞれに最適化されていて、搭載する車に合わせて乗り味や制御が変わっているようです。
e-4ORCEの特徴は、特にコーナリング時走行です。通常は前輪駆動が主となりますが、コーナリング時にステアリングを切り始めると、後輪の駆動力配分が素早く増加します。これにより、横方向への曲がる力を向上させることができます。さらに、ステアリングを切った状態でアクセルを踏み込んで加速すると、駆動力が増加し、内側の車輪にブレーキがかかって曲がりやすくなります。この制御により、アンダーステアが発生せず、スムーズなコーナリング走行が可能となります。
また、e-4ORCEは、市街地走行時の減速においても優れています。前後のモーターそれぞれで回生量を調整し、車体の挙動を安定させることで、乗員の頭の前後の揺れを軽減することができます。
こういった事もあって、2022年8月31日時点での新型車の受注台数1万7000台のうち、90%が4WD仕様が選ばれています。
(まぁ、元々エクストレイルって4WD仕様が人気ですが…)
外装
流線形の都会的な先代T32型とは一変して初代や2代目のような箱型のデザインになりました。
ですが冷静にデザインをよく見てみると、Aピラーは意外に寝ていて、ルーフラインも滑らかになっています。
これは初代のようにプレスラインで道具感を表現すると、上品になりにくいからだそうです。
T33型ではプレスラインを最小限に抑えつつ、力強さを面の張りで表現することにより、シンプルな上質さと力強さを両立するデザインになっています。
フロントグリルにはVモーショングリル、ヘッドランプは、上段にポジションランプとターンランプ、下段にメインランプを配置した構造となっていて、リアコンビネーションランプは一見普通に見えますが、インナーレンズに日本の伝統的な切子パターンをモチーフにした視認性の高い精密な輝きの装飾が施されています。
内装
メーターには12.3インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイが搭載されており、2種類の表示モードが選択できます。
センターディスプレイには12.3インチのNissanConnectナビゲーションシステムが搭載されています。このシステムでは自然な言葉で操作ができるボイスアシスタントやAmazon Alexaが利用可能です。
このシステムがないとプロパイロットのナビリンクは使用不可能となります。Gグレードでは標準装備、Xグレードではオプション設定、Sグレードでは設定不可となっています。
ハンドルにはD型ステアリングホイールが採用され、プロパイロットボタンが付いています。
シフトには電子式シフトレバーが搭載されており、ドライブやバックに入れる際は横にあるボタンを押しながら前後に動かします。パーキングはシフトノブ上部にあるボタンを押すことで選択できます。
電動パーキングにはオートホールド機能付きの電動パーキングブレーキが採用されています。
ドライブモードセレクターでは5種類のドライブモード(オート、スポーツ、エコ、スノー、オフロード)が選択可能です。
T33型の先進運転支援システム
4代目・T33型エクストレイルに採用される運転支援システムは次の通りです。
プロパイロット(ナビリンク機能付)
プロパイロットは、自動車専用道路のみで使用できる運転支援機能で、T33型にはSグレードを除くすべてのグレードに採用されています。
プロパイロットは、走行中、前方車両との車間距離を制御、前方の車両が停車している時は、こちらも停車して、その状態を保持する「インテリジェントクルーズコントロール」に、走行車線内を走行するように ハンドルを支援する機能を組み合わせたもので、自動運転レベルでいえば2に当たります。
ドライバーはステアリングに手を添えているだけで、設定した速度の中でクルマ自身が車線の中央をキープするように前の車を追従し、ドライバーの運転を補助します。
ただし、プロパイロットはあくまで運転の補助をするシステムであり、自動運転ではないためドライバーは常に注意を払い続け、いつでも運転操作に介入できる状態なければいけません。
プロパイロットに使われているセンサーは、フロントカメラとフロントのミリ波レーダーです。
インテリジェントクルーズコントロールにミリ波レーダーを使用し、ハンドル支援の方にカメラを使用しています。
インテリジェントクルーズコントロールの方にもカメラを併用していると思っていたのですが、オーナーズマニュアルを読む限り、フロントカメラは使ってないみたいですね。
また、T33型のプロパイロットには、地図情報と連動するナビリンク機能があります。
プロパイロットにNissanConnectナビゲーションシステムを連動させた機能で、地図情報から予めカーブやジャンクションの大きさを把握して、スムーズに曲がれるよう車速をコントロールします。
制限速度が変わった場合、フロントカメラと地図情報を使って速度標識を検知。設定車速を自動変更で変更する機能と、停止後約30秒後までに先行車両が発進した際に追従走行を再開する機能もあります。
あと、プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付)と言う機能も搭載しています。
プロパイロット使用中、ハンドル操作が一定時間検知されず、かつメーター表示や音による警告にもドライバーの意識反応が得られなかった時には、ハザードを点灯して徐々に減速し停止します。その後に緊急通報センターに音声接続し、必要に応じて警察・消防に連絡して緊急車両がかけつけます。
ナビリンク機能と緊急停止支援システムはNissanConnectナビゲーションシステムの装着と、NissanConnect サービスへの入会が必要となります。
エクストレイル用のサービスプランは「スタンダードプラン+」で2023年3月時点では年間7,920円の費用がかかります。
プロパイロット パーキング
プロパイロットパーキングは駐車可能なスペースを自動で検知し、駐車に必要な操作を支援する機能です。前向き駐車、後向き駐車、縦列駐車に対応し、駐車のストレスを軽減します。
プロパイロットパーキング作動中、スイッチを離したり、ブレーキやハンドルを操作すると車両は停止します。
障害物があったり歩行者が接近すると、危険を察知しシステムが自動で制御し、停止、安全を確保します。
仕組みとしては、前後左右にある4つのカメラを用いたリアルタイム画像処理技術と12個のソナー情報を組み合わせ、車両周辺の状況を検知し、アクセル、ブレーキ、ステアリング、シフトを連動させて車両を制御しています。
インテリジェント エマージェンシーブレーキ
インテリジェントエマージェンシーブレーキは、前方の車両や歩行者、人が乗車している自転車と衝突する可能性があるとき、警報とブレーキにより、ドライバーの衝突回避操作を支援するシステムです。
衝突被害軽減ブレーキや自動ブレーキと呼ばれてる機能ですね。
日本では2021年11月から国産の新型車への衝突被害軽減ブレーキが義務化されたこともあり、この機能はすべてのグレードに適用されています。
機能としては、自動車、歩行者、人が乗っている2輪車と衝突するおそれがあると判断すると、警報音とともにメーターパネルやヘッドアップディスプレイに警告が表示されて、ドライバーがブレーキを踏むように促します。
ドライバーの回避操作が遅れ、衝突すると判断した場合、2段階に分けて自動でブレーキをかけます。これにより、衝突の程度を軽減したり、場合によっては衝突を完全に防ぐことができます。
仕組みとしてはフロントガラス上部に設置されたカメラとフロント中央にあるミリ波レーダーで、前方の車両や歩行者などの有無を検知します。
車両や歩行者などが存在する場合には、その距離を測定します。自車両の速度と、他車両や歩行者までの距離と速度から、衝突する危険性があるかどうかを判断します。
衝突する可能性が高いと判断したら警告表示とブザーで回避操作を促し、安全に減速できなかった場合ブレーキが作動し、衝突時の被害を軽くします。作動時の状況によっては衝突前に停止します。
車両が約5km/h以上の速度で走行しているときに作動し、歩行者や人が乗っている自転車に対しては、約10~80km/hの範囲内で作動します。
ただし、静止している車両については、約100km/hを超える速度で走行している場合は作動しません。
あと、よく誤解されているのですが…この機能は検知対象が車、歩行者、2輪車のみで、その他の障害物は対象外です。
Youtube上では個人の方が”衝突被害軽減ブレーキ”の実験と称して”段ボール”などに車を突っ込ませる動画を上げている方がいらっしゃいますが、「車」、「歩行者」、「2輪車」の形状を模していない障害物の場合はまず検知しません。
一方、これら以外の障害物で停止できている動画もあったりしますが、そちらは後述の「踏み間違い衝突防止アシスト」というソナーセンサーを使った低速時の衝突防止機能が働いているからですね。
踏み間違い衝突防止アシスト
ブレーキペダルと間違ってアクセルペダルを踏んでしまった場合、エンジンや走行モーターの出力を抑制し、ブレーキを制御する機能で、全グレードに搭載されています。
駐車時などの低速走行時に、進行方向の壁や車両、歩行者などの障害物との衝突の危険性を検知し、ブレーキ操作が遅れたり、誤ってアクセルを踏んだりすると、メーター内の表示と警告音でドライバーに警告します。
さらに、エンジンやモーターの出力とブレーキを制御することで、衝突や過度な加速を防止することを支援します。
前進時はフロントガラスのカメラで前方の車両や歩行者を検知し、フロントバンパーに取り付けられたソナーにより、前方の障害物を検知。
後退時はリヤバンパーに取り付けられたソナーとリヤナンバープレート上部のインテリジェントアラウンドビューモニターカメラにより、後方の障害物を検知します。
この機能は「低速加速抑制機能」と「低速衝突軽減ブレーキ機能」の2つあり、前者はブレーキと踏み間違ってアクセルペダルを踏んでしまった時に作動する機能で車両、歩行者に対しては、車速0~25km/h、壁などの障害物に対しては、車速約0~15km/hの範囲で作動します。
後者は低速走行時に作動する機能で、前進、または後退時、進行方向に車両や壁などの障害物を検知し、衝突するおそれがあるとシステムが判断すると、エンジンやモーターの出力の制御、およびブレーキをかけて衝突を回避、または被害の軽減し、車速約15km/h以下のとき作動します。
前後ともにソナーセンサーを使っているので、ガラスの様なカメラで識別できない物体も障害物として検出することが出来ます。
と言っても、ソナーの性能や搭載位置の関係上、車よりも小さい障害物の検知は厳しくなります。
また、電柱の様に長細いものや、車止めの様な背の低いものも検知しにくいですね。
ちなみに、カメラがついていない後ろ側は車両の識別が不可能ですので注意が必要です。
これは車両や歩行者の識別はカメラで行っていて、ソナーセンサーでは識別が不可能だからですね。
インテリジェントアラウンドビューモニター付きの場合は後ろにもカメラは付くものの、検知するのは歩行者のみで、車速約15km/h以下のみの作動な上にペダルの踏み間違い時にはカメラしないようです。
インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)
インテリジェントFCWは2台前を走る車両を検知し、衝突しそうになったら警報を出す機能で、全グレードに採用されています。
高速道路で2台前の車が急に減速した場合や、急に先行車が車線変更した際に前方に遅い車両が走っていた場合、衝突事故が起きる可能性があります。インテリジェントFCWは、こうした危険に対し、ドライバーに注意を促します。
車両前方に搭載されたミリ波レーダーでドライバーが視認できない2台前を走る車両の車間距離や相対速度を検出し、先行するクルマに遮られて見えない前方の状況を把握します。そして、自車の減速が必要と判断した場合には、表示と音によりドライバーに注意を促します。
あと、この機能はあくまで注意を促すだけで、この機能自体がブレーキを作動させることはありません。ブレーキを作動させるのはエマージェンシーブレーキの方ですね。
標識検知機能(進入禁止標識検知、最高速度標識検知、一時停止標識検知)
フロントカメラで前方の車両進入禁止・最高速度・一時停止の標識を検知して、警告表示などで注意する機能です。
一時停止が必要な場所では、メーター内ディスプレイへの警告表示を、進入禁止路へ進入しそうになった場合はメーター内ディスプレイへの警告表示に加え、ブザーも鳴らします。
インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)+BSW(後側方車検知警報
BSWはリアバンパー側面に搭載されたミリ波レーダーを使用して、車線変更をするとき、隣車線、特に後方の死角に車両がいる場合、警報によってドライバーに注意をする機能です。
インテリジェントBSIは、BSWに加えて接触回避する機能を追加したものです。
隣車線に車両がいる時にドライバーが車線変更を開始した場合、警報とともに車両をもとの車線内に戻す方向に力を発生させ、隣接車両との接触を回避するよう支援します。
インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)+LDW(車線逸脱警報)
走行中、車線からはみ出しそうになった場合、警告音とともに、ブレーキを使って車線内に戻すようドライバーのハンドル操作をアシストします。
RCTA(後退時車両検知警報)
目視では確認の難しい視界の悪い場所での後退時にも、近づいてくるクルマを検知して警告音で注意を喚起します。
インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)
インテリジェントアラウンドビューモニターは、いわゆる全方位モニターのことで、真上から見下ろした様に車の周囲を表示することで、駐車時の安全性と利便性を高める機能です。
クルマを真上から見下ろしているかのような映像によって、車庫入れや縦列駐車などの駐車時に、自車と駐車位置の関係をひと目で確認できるようになるので、かなり駐車が楽になります。
また、クルマの周辺で動く物体を検知してドライバーに知らせる移動物体検知機能もついています。
アラウンドビューモニターは前後左右に取り付けた4つのカメラで撮影した映像をリアルタイムに視点変換を実施。あらかじめ保存した車の画像を組み合わせ、車を上空から見下ろしているような映像としてディスプレイ画面に表示することで、周囲の状況をひと目で把握できるようにする機能です。
基本的な部品の構成としては、車両の前後左右に設置された4つの広角カメラ、アラウンドビューモニター用ECU、ディスプレイとなっています。
カメラから得られた映像信号を映像処理ユニットに集め、リアルタイムに視点変換を実施し、あらかじめECU内に保存されているクルマ本体の画像を画面中央に合成し、車を真上から見下ろしているような映像として表示します。
アダプティブLEDヘッドライトシステム
アダプティブLEDヘッドライトシステムは、フロントカメラで前方の状況を検知し、片側に12個あるLEDを1個ずつを点けたり消したりすることで、対向車や先行車のドライバーに眩しい思いをさせることなく、必要なところだけを遠くまで照射するシステムです。
常に視認性の高い状態が維持されます。
インテリジェント DA(ふらつき警報)
ハンドル操作から運転者の注意力が低下していると判断したときに、メーター内のディスプレイ表示とブザーによりドライバーに休憩を促します。
インテリジェント ルームミラー
後ろの席に人が乗っていたり、荷物を積んでいた場合、ルームミラーで後ろが見にくくなることがあります。
インテリジェント ルームミラーは、車両後方のカメラ映像をミラー面に映し出し、車内の状況や、天候などに影響されずいつでもクリアな後方視界が得られます。
T33型の先進運転支援システムに関する予想
T33型には最大5個のカメラ、最大3個のミリ波レーダー、最大12個のソナーが搭載されるとおもいます。
カメラは前方監視用と駐車支援用の2種類あり、前方監視用はフロントウィンドウに単眼カメラが1個。
駐車支援用にフロントバンパー中央部に1個、バックドアに1個、左右のサイドミラーに1個ずつで合計4個。
ミリ波レーダーはフロントバンパーの中央部分に1個、リヤバンパーの左右に2個搭載。
ソナーは駐車支援用に前後のバンパーに最大6個ずつ、合計12個搭載されると思います。
最大と書いたのはセンサーの場所と個数は仕様によって変わるからですね。
例えばSグレードだとプロパイロットとBSW、アラウンドビューモニターが付かないのでカメラとミリ波レーダーは1個、ソナーは8個になると思います。
一方、ハンズオフ機能はT33型に搭載されないので、GNSSアンテナやドライバーモニター用の赤外線カメラ、高精度地図ユニットといったものは搭載されないでしょう。
ですが、2023年のオーナーズマニュアルには次の注意書きが書かれていましたので、ドライバーがハンドルを握っているか検出するために静電容量式のセンサーが採用されていると思います。
次のような状況ではハンドルを持っていることを正しく検出できず、ハンドルを持っていても警告が表示されることがあります。
エクストレイル(T33[2023年])オーナーズマニュアルより
– 運転者が手袋を着用しているとき
– ハンドルにカバーが取り付けられているとき
– 革の繋ぎ目やスポーク部などを握っているとき
– ハンドルに手を軽く添えて運転をしているとき
引き続き、追記していきます。
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