日産 セレナ(C28)の先進運転支援システムについての解説

書きかけ
ソラ
ソラ

まだ執筆中です!

こんにちは、ソラです。

今回は2022年11月28日に発表された6代目の日産・セレナに搭載される予定の先進運転支援システムについて解説します。

セレナの概要・歴史

セレナは、日産が製造するファミリー層向けのミニバンで、1991年に初代のC23がデビューし、1999年に2代目のC24、2005年に3代目のC25、2010年に4代目のC26、2016年に5代目のC27と発売され、フルモデルチェンジを重ねるごとに着実に販売を伸ばしている日本事業を支える重要な位置にいる車です。

また、日本国内だけでなく、ASEAN諸国向けに販売されていたり、一時期はスズキ株式会社から「ランディ」として販売されていました。

主なライバル車両としては、同じ車格のミニバンである「トヨタ・ノア/ヴォクシー」「ホンダ・ステップワゴン」の3車種です。

セレナのファミリー向けミニバンというコンセプトは初代からあり、時代を追うごとにキャブオーバー型からFFのレイアウトに、全長も長くなって車内も広くなり、スーパーHICASを始めとした時代の先端技術を採用するなど、ファミリー向けのミニバンという基本的なコンセプトを踏まえつつ、その時代の最新技術が使われている車です。

特に5代目のC27では、ハンズフリー機能付きのスライドドア、デュアルバックドアを採用し、パワートレインにはシリーズHEVの「e-POWER」、自動運転レベル2に当たる運転支援技術の「プロパイロット」を採用することで、最新技術を採用したミニバンというイメージが向上していきました。

ちなみに初代の型式がC23と中途半端な数字になっているのは、商用車であるバネットからの派生モデルだからですね。

日産の場合、乗用車は車両型式の10の位の数字が奇数(E12, R34, Y51など)となるのが通例ですが、商用車であるバネットの系譜を受け継いでいるので10の位の数字は「2」なっているみたいです。

次に1の位が「3」になっている理由はC22バネットの乗用車モデルをフルモデルチェンジしたからです。

初代のバネットがC120、2代目のバネットがC22、2代目バネットの乗用車モデルがフルモデルチェンジしてC23″バネット”セレナとして誕生。マイナーチェンジのタイミングで”バネット”が取れてセレナとなりました。

C28の特徴

日産はプレスリリースで6代目のセレナの特徴について次の様に伝えています。

  • ロングドライブをサポートするミニバン世界初搭載の先進運転支援技術「プロパイロット2.0」
    • 先代モデルでご好評いただいている「プロパイロット」は全車に標準装備としました。また、「プロパイロット2.0」を、最上位グレード「e-POWER LUXION(ルキシオン)」に標準装備しました。これにより長距離運転におけるドライバーの負担を軽減します。また、前方障害物を回避する際、ドライバーのステアリング操作を支援する「衝突回避ステアリングアシスト」や、一度駐車した場所を駐車枠として記録することが出来る、メモリー機能付きの「プロパイロット パーキング」を日産として初搭載しました。記録した駐車位置に近づくと、ボタン一つでステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御するため、駐車が苦手な方も安心です。さらに「e-POWER LUXION」には、リモコン操作で車の出し入れが可能となる「プロパイロット リモート パーキング」を搭載。狭いスペースでの乗り降りや荷物の出し入れをスムーズに行なうことが可能になりました。
  • 会話が弾む圧倒的な静粛性を生む第2世代「e-POWER」
    • 新開発の1.4L e-POWER専用エンジンを組み合わせた第2世代「e-POWER」の搭載により、エンジンの作動音を抑制するとともに、よりパワフルで気持ちの良い加速性能を実現しました。さらに、車両状態や走行環境に加え、ナビと連携しながらエンジン作動タイミングを制御する世界初のエネルギーマネジメント技術*3を搭載することで、エンジンの作動頻度を低減し、高い静粛性に貢献します。また、車体の遮音性能を大幅に高め、後部座席の乗員とも会話のしやすい静かさを実現しました。
  • あらゆる角度から徹底的に科学したクルマ酔い軽減技術
    • 第2世代「e-POWER」と高剛性サスペンションが、車体の動きをなめらかにし、新開発のシートが車体の揺れの伝達を抑え、クルマ酔いにつながる頭の急な揺れを抑制します。また、アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできる「e-Pedal Step」の操作性も向上させました。さらに、高剛性ステアリングの採用により操縦安定性を高め、ミニバンが苦手とする横風を受け流す車体構造によりふらつきを抑えることで、高速でも安定した走りを実現しています。加えて、見晴らしがよく開放的な視界や、最適な位置に配置された後席専用モニターなど、視覚的にもクルマ酔いの低減を図りました。ミニバンNo.1*4の運転席の視界の広さは運転のしやすさの向上にも貢献しています。
  • 上質さと先進性を兼ね備えた親しみやすいデザイン
    • エクステリアは親しみやすさを感じながらも、より上質でモダンな要素を取り入れました。加えて、「e-POWER LUXION」と、ハイウェイスターは、ダイナミックで力強い走りを想起させる印象的なデザインに仕上げています。また、すべてのランプをLED化し、先進性と美しさを徹底追及しました。
    • インテリアは、先進的で上質な広々とした空間を意識しながらも、細やかなこだわりを詰め込みました。運転席は、視界を遮る凹凸を減らすことで、視界が開け、運転のしやすさを向上させています。また、シートは素材の高級感と、お菓子などの食べかすが隙間に入り込みにくく、飲み物などをこぼしてしまった時もふき取りやすいなどの機能性を両立させた家族思いの仕様となっています。
    • シフトには日産として初めて、スイッチタイプの電制シフトを採用し、スッキリとした見た目と分かりやすい操作性を実現しました。
    • ボディカラーは、2トーン4色、モノトーン10色の全14色をラインアップしました。
  • 家族のために考え尽くされた使いやすい装備
    • ミニバンNo.1の室内の広さにより、家族全員がゆったりくつろげます。さらに、運転席の足の通過スペースを先代モデルから120㎜拡大し、運転席と助手席の間の移動をよりしやすくしました。また、シートスライド機構を3列目にも標準装備したことで、8人フル乗車でもゆったりとした座り心地を実現しています。
    • 先代モデルから好評のマルチセンターシートを進化させ、e-POWER車でも8人乗りを実現しました。家族で使用するシチュエーションに合わせて、7-8人乗りを自由自在にアレンジできます。
    • バックドア全体を開けずに荷物の出し入れが可能なデュアルバックドアもより使い勝手を向上させています。開口時のサイズを見直すことで、より狭い駐車スペースにおいても使用できるようになりました。また、ハンズフリーオートスライドドアは、センサー感度を向上させるなど、操作性にこだわりました。
    • 全席にスマートフォンや財布などを置ける小物置き場を設置しました。500mlの紙パックが入るカップホルダー、USBの設定、車内Wi-Fiや乗る前エアコンなどにより、おでかけの車内も快適に過ごしていただけます。
    • エアコンの操作には、直感的に使いやすい先進的なデザインのタッチパネル式オートエアコンを採用し、運転席、助手席、後席で別々に温度設定ができる独立温度調節機能を採用しています。
    • e-POWER車には、100V AC電源(1500W)をオプション装備したことにより、アウトドアにおける家電製品の稼働や、災害時等の非常用電源としてお使いいただけます。
新型「セレナ」を発表

とのことです。
要するに、先代同様にコンセプトを維持しつつ、日産の先端技術を採用したってことですね!

C28の基本スペック

6代目セレナの基本的なスペックについては次の通りです。

グレード構成
グレード構成は、5ナンバー車の「X」と「XV」、3ナンバー車の「ハイウェイスター」「ルキシオン(LUXION)」の4種類。

この中でプロパイロット2.0が搭載されるのは最上位グレードのルキシオンです。

価格
価格については、ガソリンエンジン仕様は276万8700円~326万9200円、e-POWER仕様が319万8800円~479万8200円。

ルキシオンは500万円手前となるのがすごいですね…

寸法
6代目セレナの寸法はグレードによって異なり、

  • X/XV:全長4690mm、全幅1695mm、全高1870mm(4WD仕様:1895mm)
  • ハイウェイスターV:全長4765mm、全幅1715mm、全高1870mm、(4WD仕様:1895mm)
  • ルキシオン:全長4765mm、全幅1715mm、全高1885mm


と、X/XVは5ナンバーサイズ、ハイウェイスターとLUXIONは3ナンバーサイズになっています。
ホイールベースは2870mmで、室内寸法はオーディオレス仕様なら長さ3145mm,幅1545mm,高さ1400mm、ナビが付くと長さ3135mmと10mm短くなっています。

重量
車両重量はモデル毎に異なっていて、一番軽いのがガソリン仕様のXグレードで1670kg、一番重いのがルキシオンの1850kgです。

定員
乗車定員は8人ですが、ルキシオンのみ7人乗りです。
これはルキシオンだけスマートマルチセンターシートが無いからですね。
その代わりフロントセンターコンソールが搭載されています。

タイヤ
タイヤのホイールは3種類あるものの、タイヤサイズは16インチで幅が205mm,扁平率は65%の1種類のみとなっています。

プラットフォーム
プラットフォームは先代のC27型と同じ「Cプラットフォーム」
日産自動車、ルノーのCセグメント車用のプラットフォームで前輪駆動または前輪駆動をベースとした4輪駆動車に採用されています。

いえ、”いました”と言うべきですね。

2013年以降、日産はCMF(コモンモジュールファミリー)という開発手法を取り入れ、過去Cプラットフォームを使用していた車はCMF-C/Dに変わり、エクストレイルやキャッシュカイ、B18型のシルフィやルノーのメガーヌ、エスバスなどに採用されています。

同じミニバンのルノー・エスバスで採用されているから6代目のセレナでもCMF-C/Dを採用する可能性はあったのですが、エスパスのボディサイズは全長4860mm、全幅1890mm、全高1680mmと全幅が大きくて全高が低いので、日本のミドルクラスミニバンの市場で求められるボディサイズとは合わず、ターゲットも富裕層が長距離、長時間快適に移動する車と、エスバスとセレナではキャラクター性が違います。

CMF-C/Dを採用した他の車との兼ね合いも考える必要があると思いますので、日本国内がメインターゲットになるセレナではCプラットフォームを使っていった方が良かったのでしょうね。

パワートレイン
パワートレインの構成としてはガソリン車はMR20DDに前輪駆動と4輪駆動の組み合わせ、e-POWERは発電用のエンジンHR14DDeと走行用モーターのEM57の組み合わせた第2世代型を搭載、前輪駆動のみとなっています。

先代にあったマイルドハイブリッドの「S-HYBRID」は無くなっていますね。

ガソリンエンジン仕様は先代のセレナと同じMR20DD、直列4気筒DOHC 2.0リッターのエンジンです。最高出力は110kWで最大トルク200Nm、WLTCモード燃費は前輪駆動だと13.0km/L~13.4km/L、4輪駆動だと11.6km/L。

e-POWERに搭載される発電用のエンジンはHR14DDeは直列3気筒DOHC 1.4リッターの新開発されたものです。先代のセレナやノートに使われていたHR12DEからシリンダーの内径はそのままに行程を100mmに延長してロングストロークかして排気量が1.2Lから1.4Lと大きくなり、車両状態や走行環境に加え、ナビと連携しながらエンジン作動タイミングを制御するエネルギーマネジメント技術を搭載することで、エンジンの作動頻度を低減。

また、高負荷時には仕様上の最高出力が発生する5600rpm付近での運転で発電量が確保されるとのことです。走行モーターはEM57と従来の型式と同じですが、最高出力は120kW、最大トルクは315Nmとスペックが変化しています。

似たようなエンジンにT33エクストレイルのe-POWERに採用された1.5L VC-TURBOがあるのですが、こちらは採用されなかったようですね。

駆動方式
駆動方式についてですが、e-POWERは前輪駆動のみとなっていて、4輪駆動はありません。
以前Youtubeで紹介したキックスも、当初は前輪駆動のみでしたが、後に4輪駆動を出しています。
セレナの場合、先代のC27でも4輪駆動を出していないので今回も出さないのかもしれませんね。

燃費
WLTCモードで18.4km/L~20.6km/Lとなっています。

内装
シフト操作はレバーではなくなり、ボタン式の電制シフトを採用。日産車としては初採用となります。

ディスプレイはノートやアリアと同様に、メーターディスプレイとセンターディスプレイとを一体化した統合型インターフェースディスプレイを採用。

センターディスプレイは12.3インチサイズのNissanConnectナビゲーションシステム、または9インチの日産オリジナルナビゲーションの2種類あります。

C28の先進運転支援システムについて

6代目セレナに採用される運転支援システムは次の通りです。

プロパイロット 2.0

この中でも特に注目度が高いのがプロパイロット2.0です。

高速道路の様な自動車専用道路で、状況に応じて同一車線内でステアリングから手を離すことが可能なADASで、SAEの自動運転レベルでいえば、レベル2、部分的運転自動化に当たる機能です。

車両に搭載した7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーで、白線、標識、周辺車両を検知し、ナビゲーションシステムと3D高精度地図データを使うことで、制限速度をはじめとした道路状況を把握しながら、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ、直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフ走行を可能とします。

準天頂衛星システムなどからの高精度測位情報を受信し、自車位置をより高精度に把握することが可能とのことです。

運転支援の状態が直感的に把握できるよう、メーターディスプレイやヘッドアップディスプレイには作動状況がリアルタイムに表示され、プロパイロットの動作状況に応じてアンビエントライティングが白色、緑色、青色と色が変化します。

また、赤外線を使ったドライバーモニターカメラを搭載する事でドライバーが前方を注視しているかを確認し、ドライバーが前方を注視していないと判断した際は、警告音で注意を促します。またハンズオフドライブ時に、その状態が継続する場合は、ハザーどと共に速やかに車両を停止させます。

セレナが登場するまでは、スカイラインのハイブリッドモデル(販売終了)とアリアのみに採用していました。

2022年現在、一般に普及しているレベル2のADASはハンドルから手を離せないものがほとんどで、それと区別する形で「レベル2.5」という俗称でも呼ばれていますね。

技術的、法的ともに「自動運転」には当たらない機能とはなりますが、2022年12月時点でもハンズオフ走行ができる程の機能を持った車はでもほとんど存在せず、あったとしてもフラグシップセダンや高級SUVを中心に一部の高級車に搭載されているのが現状です。

そんな中、ミニバンにプロパイロット2.0を搭載したのはセレナが初めてとなります。

スバル・レヴォーグやトヨタ・ノアといった500万円以下の車にもハンズオフ可能なレベル2のADASを搭載した車はありますが、いずれも渋滞時の作動となっているので、低価格帯の車で全車速域においてもハンズオフ可能となるのはセレナが初めてになります。

…とはいえ、プロパイロット2.0はルキシオンのみに設定されていて、その価格が479万8200円となっていて、いろいろオプションを付けると500万円を超えると思いますので”低価格帯”とは言いにくいですね…

プロパイロット2.0の機能としては、次の3つがあります。


・同一車線内ハンズオフ機能
プロパイロット 2.0では同一車線内でハンズオフが可能となり、ドライバーの運転操作を幅広く支援。

・追い越し時の車線変更の支援機能
ルート走行中の分岐や追い越しのための車線変更の適切な開始タイミングをシステムが判断。
ドライバーがハンドルに手を添え、スイッチ操作で承認することで、車線変更を支援します。

ルート走行中の車線変更と分岐の支援機能
高精度な衛星測位技術を導入することで、多数の車線が存在する道路や一般道が並走する複雑な道路環境でも、正確な車線変更支援を実現します。

ちなみに、プロパイロット2.0を利用する場合はNissanConnectサービスの「プロパイロットプランプラス」への加入が必須です。

「3D高精度地図データ自動更新のため」と書かれていますが、実質、3D高精度地図の利用料金になっています。料金は税別、年間2万5520円です。

もし、日産コネクトに入らなかった場合、高精度地図情報が使えない為、ハンズオフ、車線変更支援、追い越し支援、ルート走行支援といった機能や、速度標識の速度を設定車速に反映する速度標識検知機能や、カーブに応じて減速したり、停止後、先行車に追従して走行を再開する機能が作動しません。

要するにプロパイロット2.0が使えないという事ですね。

プロパイロット

C27では一部のグレードのみの採用だったプロパイロット、C28セレナでは全グレードに標準採用されています。

プロパイロットは、走行中、前方車両との車間距離を制御、前方の車両が停車している時は、こちらも停車して、その状態を保持する「インテリジェントクルーズコントロール」に、走行車線内を走行するように ハンドルを支援する機能を組み合わせたものです。

ドライバーはステアリングに手を添えているだけで、設定した速度の中でクルマ自身が車線の中央をキープするように前の車を追従し、ドライバーの運転を補助します。

要するに高速道路の単調な渋滞走行と長時間の巡航走行で、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作を車がアシストすることでドライバーの負担を軽くする機能です。

プロパイロット(ナビリンク機能付)

ナビリンク機能付きのプロパイロットは、プロパイロットとNissanConnectナビゲーションシステムと連動させた機能です。

ナビゲーションシステムと連動することで、地図情報から予めカーブやジャンクションの大きさを把握して、スムーズに曲がれるよう車速をコントロールします。

また、制限速度が変わった場合、フロントカメラと地図情報を使って速度標識を検知。

設定車速を自動変更で変更する機能と、停止後約30秒後までに先行車両が発進した際に追従走行を再開する機能もあります。

あと、この機能を使うにはNissanConnectナビゲーションシステムが必要です。

衝突回避ステアリングアシスト

前方の車両や歩行者などへ衝突する可能性があるときに、ハンドルでの回避操作を検出すると、ドライバー操作に従ってアシストし、回避操作を支援します。

自動で回避操作する機能ではないのでご注意を。

インテリジェント エマージェンシーブレーキ

インテリジェントエマージェンシーブレーキは、前方の車両や歩行者と衝突のおそれがあるとき、
警報とブレーキにより、運転者の衝突回避操作を支援する機能です。

いわゆる衝突被害軽減ブレーキ、俗に言う自動ブレーキです。

フロントガラス上部に設置されたカメラとフロント中央にあるミリ波レーダーで、前方の車両や歩行者の有無を検知します。

また、車両や歩行者が存在する場合には、その距離を測定します。自車両の速度と、他車両や歩行者までの距離と速度から、衝突する危険性があるかどうかを判断します。

衝突する可能性が高いと判断したら警告表示とブザーで回避操作を促し、安全に減速できなかった場合ブレーキが作動し、衝突時の被害を軽くします。作動時の状況によっては衝突前に停止します。

インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)

インテリジェントFCWは2台前を走る車両を検知し、前方に潜む危険に対して注意を促す機能です。
FCWというのは、フォワードコリジョンワーニング、前方衝突警報の略ですね。

高速道路で2台前の車両が突然減速した時、あるいは、急に先行車が車線変更した際に、前方に遅い車両が走っていた時、ドライバーは玉突き事故や衝突事故の危険に晒されます。

インテリジェントFCWは、こうした危険に対し、ドライバーに注意を促します。

2台前を走る車両が急減速するなど、危険と判断した場合には、表示と音の警報により、ドライバーへ注意を促します。

この機能はあくまで注意を促すだけで、システムがブレーキを作動させることはありません。

アダプティブLEDヘッドライトシステム

対向車がいてもハイビームを維持。または、ハイビームとロービームを自動で切り替える機能です。視認性の高い状態が維持されます。

ハイビームアシスト

ハイビームとロービームを自動で切り替える機能。
切り替えの手間と、切り替え忘れによるうっかりハイビームがなくなります。

先⾏⾞発進お知らせ

先行車が発進しても自車が停止し続けた場合に、ブザー音とアドバンスドドライブアシストディスプレイの表示でお知らせします。

インテリジェント DA(ふらつき警報)

ハンドル操作から運転者の注意力が低下していると判断したときに、メーター内のディスプレイ表示とブザーによりドライバーに休憩を促します。

標識検知機能(進入禁止標識検知、最高速度標識検知、一時停止標識検知)

フロントカメラで前方の車両進入禁止・最高速度・一時停止の標識を検知して、警告表示などで注意する機能です。

一時停止が必要な場所では、メーター内ディスプレイへの警告表示を、進入禁止路へ進入しそうになった場合はメーター内ディスプレイへの警告表示に加え、ブザーも鳴らします。

インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)+LDW(車線逸脱警報)

走行中、車線からはみ出しそうになった場合、警告音とともに、ブレーキを使って車線内に戻すようドライバーのハンドル操作をアシストします。

インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)+BSW(後側方車検知警報

BSWはリアバンパー側面に搭載されたミリ波レーダーを使用して、車線変更をするとき、隣車線、特に後方の死角に車両がいる場合、警報によってドライバーに注意をする機能です。

インテリジェントBSIは、BSWに加えて接触回避する機能を追加したものです。
隣車線に車両がいる時にドライバーが車線変更を開始した場合、警報とともに車両をもとの車線内に戻す方向に力を発生させ、隣接車両との接触を回避するよう支援します。

プロパイロット パーキング[グレード別設定]

プロパイロットパーキングは駐車可能なスペースを自動で検知し、駐車に必要な操作を支援する機能です。前向き駐車、後向き駐車、縦列駐車に対応し、駐車のストレスを軽減します。

プロパイロットパーキング作動中、スイッチを離したり、ブレーキやハンドルを操作すると車両は停止します。

障害物があったり歩行者が接近すると、危険を察知しシステムが自動で制御し、停止、安全を確保します。

仕組みとしては、前後左右にある4つのカメラを用いたリアルタイム画像処理技術と12個のソナー情報を組み合わせ、車両周辺の状況を検知し、アクセル、ブレーキ、ステアリング、シフトを連動させて車両を制御しています。

また、C28セレナには「駐車位置のメモリー機能」を日産で初めて搭載しています。
これは、一度駐車した場所を駐車枠として記録することが出来る機能です。

プロパイロット リモート パーキング[グレード別設定]

プロパイロットリモートパーキングは、車外からの操作で駐車する運転支援機能。

パワーオフの状態で、車外からインテリジェントキーの起動ボタンを押し、前/後の操作ボタンを押すと車が動き、ボタンを離すと止まります。

これによって狭いスペースに駐車するようなシーンにおいても、ドライバーや同乗者の乗り降りや荷物の積み込みが楽になります。

仕組みとしては、前後のバンパーに設置された12個のソナーで、車両周囲の障害物を検出しています。
カメラは使っていないみたいですね。

インテリジェントキーからの信号を受け取ると、ソナーの情報をもとにアクセル、ブレーキ、ステアリング、シフトを連動させ、車両を移動させます。

RCTA(後退時車両検知警報)

目視では確認の難しい視界の悪い場所での後退時にも、近づいてくるクルマを検知して警告音で注意を喚起します。

インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)[グレード別設定]

インテリジェントアラウンドビューモニターは、いわゆる全方位モニターのことで、真上から見下ろした様に車の周囲を表示することで、駐車時の安全性と利便性を高める機能です。

クルマを真上から見下ろしているかのような映像によって、車庫入れや縦列駐車などの駐車時に、自車と駐車位置の関係をひと目で確認できるようになるので、かなり駐車が楽になります。

また、クルマの周辺で動く物体を検知してドライバーに知らせる移動物体検知機能もついています。

アラウンドビューモニターは前後左右に取り付けた4つのカメラで撮影した映像をリアルタイムに視点変換を実施。あらかじめ保存した車の画像を組み合わせ、車を上空から見下ろしているような映像としてディスプレイ画面に表示することで、周囲の状況をひと目で把握できるようにする機能です。

基本的な部品の構成としては、車両の前後左右に設置された4つの広角カメラ、アラウンドビューモニター用ECU、ディスプレイとなっています。

カメラから得られた映像信号を映像処理ユニットに集め、リアルタイムに視点変換を実施し、あらかじめECU内に保存されているクルマ本体の画像を画面中央に合成し、車を真上から見下ろしているような映像として表示します。

踏み間違い衝突防止アシスト

ブレーキペダルと間違ってアクセルペダルを踏んでしまった場合、エンジンや走行モーターの出力を抑制し、ブレーキを制御します。進行方向の壁や他の車両、歩行者などの障害物を検知し、衝突回避を支援するシステムです。

インテリジェント ルームミラー

後ろの席に人が乗っていたり、荷物を積んでいた場合、ルームミラーで後ろが見にくくなることがあります。

インテリジェント ルームミラーは、車両後方のカメラ映像をミラー面に映し出し、車内の状況や、天候などに影響されずいつでもクリアな後方視界が得られます。

C28の先進運転支援システムに関する予想

センサーの場所と個数は仕様によって変わります。

  • プロパイロットプロパイロット2.0か否か
  • アラウンドビューモニターの搭載有無
  • プロパイロットパーキングの搭載有無

アリア、スカイライン、そして先代のセレナといった他の車から予想しますと、次のような部品で構成されています。

セレナは最大5個のカメラ、最大5個のレーダー、最大12個のソナーが搭載されるとおもいます。

カメラは前方監視用と駐車支援用の2種類あり、前方監視用はフロントウィンドウに単眼カメラが1個。
駐車支援用にフロントバンパー中央部に1個、バックドアに1個、左右のサイドミラーに1個ずつで合計4個。

ミリ波レーダーはフロントバンパーの中央部分に1個、左右に2個、リヤバンパーの左右に2個搭載。
ソナーは駐車支援用に前後のバンパーに最大6個ずつ、合計12個搭載されると思います。

また、プロパイロット2.0用としてGNSSアンテナと、ドライバーモニター用の赤外線カメラ、高精度3次元地図データを収めた高精度地図ユニットが搭載されます。

スペック

前方監視用カメラ

前方監視用のカメラはプロパイロットやインテリジェントエマージェンシーブレーキなどに使うカメラです。
注目すべきはプロパイロット2.0でも単眼カメラを使う所ですね。

スカイライン、アリアではZF製の3眼カメラ(トライカム)が使用され、そのスペックは、

・遠距離用カメラ:水平視野角28度/検知距離300m
・中距離用カメラ:水平視野角52度/検知距離120m
・近距離用カメラ:水平視野角150度/検知距離20m

となっており、セレナでは単眼カメラで同じ機能を実現し、コストを抑えています。

また、この変更に合わせてカメラのサプライヤーも変えたとのことです。
サプライヤー名は不明ですが、日本のサプライヤーから調達しているみたいです。

私が思いつくのはデンソー、日立アステモ、ソニーセミコンダクタソリューションズの3社ですね。

デンソーの単眼カメラは主にトヨタに使われていて、日立アステモではステレオカメラスバル(アイサイトXでは使われてませんが…)、スズキ、いすゞに使われています。

ソニーセミコンダクタソリューションズはアラウンドビューモニター用ではありますが、カメラを日産に納入しています。

また、ソニー製のイメージセンサーはデンソーの単眼カメラやティアフォーの自動運転用のカメラにも採用されています。

この3社のうちのどこかじゃないかな?と思いますが、もしかすると他のサプライヤーかもしれませんね。

駐車支援用カメラ

次は駐車支援に使う4つのカメラ、これはインテリジェントアラウンドビューモニターやプロパイロットパーキング、プロパイロットリモートパーキングに使うカメラですね。
また、プロパイロットにおいては隣車線の自動二輪車を検知するのに使っているようです。

このカメラはアラウンドビューモニターの搭載有無で変わりますね。

ミリ波レーダー

フロントバンパー中央部のミリ波レーダーはプロパイロットやインテリジェントエマージェンシーブレーキなどに使われます。

現在、普及しているアダプティブクルーズコントロール向けのミリ波レーダーの性能は、76Ghz帯の周波数を使用していています。

主に車両の前方100~200メートル程度までの障害物を、距離分解能1~2メートル、視野角20度程度で検知する前方監視用長距離レーダーとして主に利用されるものです。

このレーダーは歩行者検知に使う事はあまりないので、踏み間違い衝突防止アシストには使われないと思います。

フロントバンパー左右のミリ波レーダーはプロパイロット2.0において左右の車線に車がいるか確認するために使われます。なので、ルキシオン以外のグレードには搭載されないと思います。

リアバンパー左右のミリ波レーダーは主にBSW(後側方車両検知警報)やRCTA(後退時車両検知警報)に使われます。こちらはすべてのグレードに搭載されるはずですね。

使用する周波数帯は76GHz帯になると思います。
側面監視用のミリ波レーダーには24GHz帯のものがありますが、こちらは検知距離は100m未満となっています。

76GHz帯のレーダーは200m先まで検知でき、プロパイロット2.0の車線変更支援機能と追い越し支援機能を実現するには、こちらを使う必要があります。

なのでプロパイロット2.0搭載車に24GHz帯のミリ波レーダーを使う事は考えにくいです。

ただ、プロパイロット2.0を搭載しないグレードについては不明です。

ソナー

ソナーは駐車支援用のセンサーとして使われ、外側に露出しているセンサーとなります。
外装部分のまるいパーツですね。

これまでに公開されている映像を見る限り、インテリジェントアラウンドビューモニター搭載仕様であれば前後に4個ずつ、合計8個搭載。そして、プロパイロットパーキング仕様の場合は前後に6個ずつ、合計で12個搭載しています。

プロパイロットパーキング仕様でソナーが4個増えている理由は側面の障害物を検知する為ですね。

GNSSアンテナ

プロパイロット2.0において、自車の位置を高精度にとらえるためのアンテナで、スカイライン、アリアではシャークフィンアンテナを増設して、その中に搭載しています。
セレナの場合も、カタログの中にシャークフィンアンテナがありますが、ルキシオンを見る限りルーフにはついてなさそうですね。

ドライバーモニター

ドライバーが前を向いているか監視するための赤外線カメラです。

スカイラインはセンターディスプレイの上に、アリアはステアリングコラムの上に搭載されていました。
セレナの場合はAピラーの部分に設置されています。

その他

座席が1つ少ない理由

セレナは基本的に8人乗りですが、ルキシオンだけ7人乗りとなっています。

これはルキシオンだけスマートマルチセンターシートの代わりに「フロントセンターコンソール」が搭載されているのと、2列目のシートが両側アームレスト付きのキャプテンシートが理由でもあるのですが、フロントセンターコンソールの下にプロパイロット2.0用の補助バッテリーが搭載されているからだそうです。

プロパイロット2.0搭載車の場合、システムに冗長性を持たせるため、補助バッテリーが搭載されます。
主電源として使われているバッテリーから電力供給が無くなった場合に、ステアリングやブレーキ、センサー、ECUなどに電力を供給するためのバッテリーです。

ルキシオンはe-POWERが搭載しているので、駆動用に使っているバッテリーを使えば冗長性の確保は十分では?と思われますが、このバッテリーの残量が無くなる可能性もありますので、専用のバッテリーを搭載しているみたいです。

ルキシオンが重い理由

ルキシオンは1つ座席が少ないのに重量が重くなっている理由ですが、おそらく補助バッテリー以外にも冗長性確保のために部品を追加しているからだと思います。

スカイラインの場合、プロパイロット2.0の為に「走る」「曲がる」「止まる」に関わる部品や電源系、センサーなどに冗長性を持たせています。

具体的には、ステアリング、ブレーキ、電源、周辺監視用のセンサー、ECU(電子制御ユニット)、車載ネットワークですね。

冗長化に関連する部品の総重量は数十kgになるみたいです。

個人的に、重くなっている理由は補助バッテリーとステアリング関係の部品が原因ではないかと思っています。

スカイラインのステアリングはKYB製の「ステア・バイ・ワイヤ(SBW)」です。車輪とステアリングホイールは機械的つながっておらず、モーターで電気的に車輪の切れ角を変えています。

このモーターは2個搭載していて、ECUも3個搭載して相互に監視しています。さらに、SBWの電力供給が無くなった場合に備え、ステアリングホイールからステアリングラックまでを機械的に結合させるクラッチユニットも搭載します。

今回は以上です、ここまで読んでいただきありがとうございました。

ソラ
ソラ

セレナのe-POWER仕様のオーナーズマニュアルが公開されたら、また書き直します…

コメント

タイトルとURLをコピーしました